トゥルルルルルルッ!
「ハッ、夢・・・」
突然の電話に目覚め、目をこすりながら時計を見る。
明け方の6時。
「何だろう、こんな時間に・・・」
と、つぶやきながら受話器を取った。
「早く目を覚ましてっ!」
「えッ」
受話器から聞こえて来た声に驚く少女。
それは聞いたことのある声だった。自分自身かあるいは・・・。
これと同じような場面を前に経験したような気がして記憶を辿り始める。
その時、部屋の外からも声が聞こえてきた。
「彩(AYA)ッ、起きたのか?」
「あっ、お父さん、オハヨー! 起きてるよ」
「じゃあ入ってもいいかな? 戸を開けてくれないか」
「うん、ちょっと待って」
「ダメッ! 戸を開けちゃいけない」受話器の声が響いた。
「なんなの?」
「彩(AYA)っ、あなたも私と同じように夢の中に囚われているの。
今、その扉を開けてはダメ」
電話の声は姉である麻弥(MAYA)の声だった。
さあ、どうしますか?
扉を開ける or 扉を開けない