校門をくぐり、いよいよ校舎へ入ろうとするMAYA。
振り返ると男は立ち止まって塔を見上げている。
人影があるようだ
男が見ているものを自分も見る。
恐怖感がMAYAを包む。意を決して校舎の中へ入る。
だが、校舎の中には人の気配が無い。
さっき入って行ったはずの大勢の人達はどこへ行ってしまったのだろう?
事務室にも校長室にも教室にも誰もいない。
平日の昼間だというのに・・・。
その時、廊下の端に誰か居ることに気づいた。
生徒のひとりのようだ。
近づいてみようとしたら向こうから声が聞こえてきた。
「お姉さん!」
「彩?!」彩の声に反応するMAYA。
「早く帰ってお姉さん」妹はすぐに言葉を返した。
走り寄るMAYA。
しかし、そこにあったのは鏡だった。
「私が見たのは自分自身。それじゃあ、さっきの声は・・・?」
突然、鏡から手が伸びて腕を掴まれるMAYA。
「キャア ! ! ! 」鏡の中の彩の顔が醜く崩れていく。
「お前も早くこっちへ来い」
「幻覚よ!これは幻覚だわ!」
振り返ると、例の男が手を伸ばしていた。
腕を掴んでいたのはあの男だったのだ。走って逃げるMAYA 。
階段を駆け上がると雰囲気の異なる場所に出た。
「ここが寮だ」
校舎と繋がった寮部分へ入るMAYA。