6月5日午前8時半

MAYAは妹の制服を着て、島へ向かうフェリーに乗った。
「妹とウリふたつの私が行けば何かわかるかもしれない・・・」



島は現在、女子校があるだけで一般の住人は一人も居ない。
その「瀬戸内海女子短期大学」とは、缶詰状態で徹底した教育を行う
超エリートのお嬢様学校である。

親は姉のMAYAもその学校へ通わせようとしたが、
MAYAには、その閉鎖的な雰囲気がなじめず、
結局、妹だけがそこへ通う事になったのだ。
噂では2年間そこで過ごした者は
性格まで変貌してしまうほどカタイ所だという・・・。



午前11時、桟橋に到着する。意外に大勢の乗客が下船した。
皆、年齢は20歳から30歳前後・・・同窓会か、教師の研修でもあるのだろうか?
そして、フェリーはまもなく次の寄港地へ向かって出航した。もう引き返せない。
明日のこの時間まで交通手段は他には全くないのだ。



その時、背後に不気味な気配を感じた。
最後に下船したあの男はいったい何者なのだろうか?
他の人々は即座に校舎へと向かったのに、彼だけ行こうとしない。
しかも、その出で立ち・・・。
初夏だというのにコートで身を包んでいる。

校舎への坂道を登り始めるMAYA。10mくらい後ろを付いて歩く男。
MAYAをつけているのだろうか?

さて、どうしますか?

・男に話しかけてみる・ ・無視して先へすすむ・