バリバリバリッ! 手熊が電極のパワーをONにすると激しい電撃が茜の全身を襲った。 「いやああああああッ!」 「ヒッ、ヒッ、ヒッ、ヒッ、ヒッ、 まだ失神しないとは意外にしぶといじゃないか・・・、 それじゃあ、もっと電圧を上げてやろうか」 カチカチカチッ 手熊は数値入力によって電圧の値を上昇させた。 バリバリバリバリバリィィィッ! 青白いスパークとともに極限の電撃が少女の全身を貫いた。 「キャアアアアアッ!」 茜の眼が大きく見開かれた直後、彼女の身体はヒクヒクと痙攣し、 そのまま気を失ってしまった。 「ヒッ、ヒッ、ヒッ・・・、 ようやく失神したようじゃな・・・、 この状態で洗脳すれば人間のままワシの奴隷となる、 魔族のそれとしてではなくワシの作品としてなぁ」 手熊がスイッチを押すと天井から半球のドーム状器具が降りてきて、 茜の頭部をスッポリと覆った。 そして彼女を洗脳するために脳細胞へ電子信号を直接送り始めた。 茜の脳は手熊によって作り出された幻想世界へ放り込まれていた。 その時、図書室のノートパソコンが新たなダイアログを表示していた。 そこにはこう記されていた。 「不明のプログラム"MINE"のダウンロードを完了しました」 幻想世界の茜は暗闇の中にひとりの少女を発見していた。 それはマインと名乗った例の天使のよう少女の姿だった。 「茜さん・・・」 「えッ、こ、ここは・・・?」 「茜さん、貴方は今、 特殊な機械によって洗脳されようとしています、 私は貴方のノートパソコンのHDからネットワークを介し、 その機械を端末として 貴方の脳へ接続しているのです」 「私を洗脳・・・?」 「そうです、しかし安心してください。 貴方の本当のチカラが覚醒すれば、 この窮地を簡単に切り抜けることが可能です」 「私の・・・、本当のチカラ・・・?」 「そう、電子信号制御能力・・・、貴方は電脳人間なのです。 私が今から覚醒の手助けをします」 「ヒッ・・・・? なんじゃ・・・、洗脳器が制御できん・・・」 手熊は洗脳が思い通り進行していないことに気付き、 さらにその機械が制御出来なくなっていることに驚愕した。 |
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