翔が投げた剣は怪物の急所に命中し、
胸部からパワーを吹き出しながら苦しそうに叫び声をあげた。
グオオオオオゥッ
「こんな馬鹿なぁ、私がこんな奴らに敗れるなんて・・・。
闇の王よ、私に今一度チカラをお貸しください」
ゴオオオオオオオオッ
闇が怪物に降り注いだ。
立ち上がるがよい
そして予言を成し遂げるのだ
怪物は突き刺さった剣を引き抜くと、大地からのエネルギーを吸収し、
さらに巨大化していった。
翔は再び生贄の柱へ弾き返され、
怪物は柱にくくりつけられた五人の生命力を吸収し始めた。
それは光の帯となって中心に位置する怪物へ集められていた。
「フォッ、フォッ、フォッ、フォッ
魔王のチカラを授かった。私は無敵だぁ!」
「なんてことだ、もうどうすることも出来ない・・・」
愕然とするエクリプスソード
「今こそ我が娘とひとつとなり
その血と肉を魔王のために捧げん」
怪物は麻弥の胸に爪先を当てた。
激痛に目覚める麻弥。
「キャアアアアッ」
「やめてぇぇぇっ!!!」
彩が叫ぶと同時に麻弥を魔法のベールが覆った。
「むっ」
動きを止める怪物。麻弥の額部分を見る。紋章が消えている。
「もしや・・・」
彩の方を向く怪物。
彩の額についている復活の紋章をみつけた。
「なるほど、あっちに移っていたのか。ふざけた真似を。
それで彩は、幾ら生命力を吸収しても変化が起きてないわけだ」
今度は彩の方へ移動を始める怪物
「待っていろ。今、お前とひとつになる。
そして魔王が甦る」
「ダメぇぇぇッ!」
麻弥は瞬発的な念動力で手足の拘束具を振り解いた。
・ N E X T (次のページへ) ・