「きゃあっ、あなたは?」
「私は絵美(EMI)。あなたを迎えに来ました。
唯(YUI)さんから聞いたのですが・・・
強いんですってね、あなた」
「え・・・」困惑するMAYA。
しばらくMAYAを眺めた後、今度は微笑みながら語りかけるEMI。
「フフッ、あなたはまだ自分で気付いて無いだけ。
私には見えます。あなたを包む強いオーラが」
「それよりEMIさん。そんなにヒドイ傷で大丈夫?」
EMIの様子に気づいたMAYA。
「んー・・・・・・、大丈夫でない。でも、そんな事言ってられないの。
今はふたり同時に移動させられる体力は残ってないから、
あなただけジャンプさせます」
「ど、どこへ・・・?」
「魔物の巣」
「ええ〜っ!」
「昔、戦争中に陸軍が生物兵器を作っていた地下研究所跡。
そこが今、魔物達の神殿になっているの。」
「そんなコワイ島だったの?」
「お願いがあります。
そこにいる私の仲間やYUI(唯)さんを助けて欲しいのです。
あなただけが頼りなの!」
「そ、そう言われても・・・」
「もう時間がありません。大変でしょうけどみんなのために・・・」
「ハ、ハ イ・・・」
EMI(絵美)の訴えかけるような瞳に思わずうなずいてしまうMAYA。
EMI(絵美)は右手をMAYAに当て、
自分がもと居た地下迷宮の特定の場所をイメージした。
「ハッキリ言って今これをやると私の命はないかもしれない・・・」
「ええっ!!!」
「でも、こうする他に道はないの。
私の仲間を、人類を守って! あなたに全てを託すわ!」
パシィィィッ!!!
宙を引き裂くような音と同時に消え去ったMAYA。
ひとりポートに残ったEMIは、
かすんでゆく目で夕陽をながめていた。
「キレイな夕陽・・・」
そうEMIはつぶやくと静かにシートの上へ崩れ落ちた。