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キィイイイイイッ ! ! ! !
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怪物は悲鳴を残して消え去った。
静寂に包まれる。
しばらくして、どこからともなく落ち着いた口調の女性の声が聞こえてきた。

「貴方は今、夢を見ています。
貴方の肉体は、実際には
ここにあります」
(クリックすれば画像)
「あなたは誰?」
「私は唯(YUI)・・・
私も今は、この島の中で囚われています。
夢の中でのみ、こうして話しかけることができるのです」
「この島はどうなっているの?」
「この島全体が魔族の生息地であり、聖地。
彼らにとって、約束の地なのです」
「この島の生徒達はどうなったの?」
「次々と魔物に乗り移られてしまいました」
「彩は? 妹がどうなったかわかりませんか?
それから、どうしてあなたは無事でいられるの?」
「多分、妹さんはまだ無事だと思います。彼女の思念を微かに感じます。
私が無事なのは、妹さんやあなたと同じで超能力者だからです」
「えっ・・・、ウソ、そんな」
「あなたは自分では気づいてないようですが、
強力な能力者であるがゆえ、今となっては重要な存在なのです。
人類の運命を左右するほどの・・・」
「え・・・・・・」
「あなたが、この悪夢の迷宮を抜け出して、
魔物達と戦い抜くことが可能か否か試さなくてはなりません」
「そんなこと、急に言われたって」
「どうしても、やっていただく他、ありません。
今、あなたに後戻りする道はないのです」
「え・・・もしも、試してだめだったら・・・?」
「とても残念ですが永遠に悪夢の中にとどまっていただくことに・・・
すなわち、肉体の死をもって彼等の企みを妨げるしかありません」
「なぜ・・・」
「あなた自身が魔王復活の依り代に使われる危険があるからです。
今のままでは、妹さんが生贄になることは間違いありませんが、
彼等は、儀式をより完全なものにするため、
さらに、あなたを欲しているのです」
「・・・・・・」
「お気の毒ですが・・・。
私の師が作り出した迷宮で、あなたを試させていただきます。
なんとか試練に打ち勝ってください」
さて、どうしますか?