翔(SHOW)と理沙(LISA)が重い扉を開く。

ギギィィィィッ

扉の向こうには少し明るい礼拝堂のような広い空間が開けた。
そして、その中央にポツリと唯(YUI)が立っていた。

「唯(YUI)!、無事じゃないか?」駆け寄る理沙(LISA)。



「待って!」制止しようとMAYAが叫んだ。

しかし次の瞬間、理沙(LISA)は後方へはじき返されていた。血しぶきをあげて。

とっさに理沙(LISA)を両手で抱きかかえるMAYA。
彼女のエクトプラズムの剣は瞬時に消え去っていた。



YUI(唯)の背後から陽炎のようにユラユラと魔物が姿を現わした。

「フェッ、フェッ、フェッ、我が名はメディウス。鬼神の将である。
お前達では私に触れることはおろか、近づくことさえかなわぬ。
負のチカラを操ることでは闇の王子をも凌ぐと言われる私を相手に
どう戦うかな?」




MAYAはゆっくりと理沙(LISA)を床へ降ろし、
手を振りかざして再び光の刃をかまえた。

カッ!!!

振り降ろした剣先から波動が放射されたが、そのエネルギーは
メディウスを囲む黒い球面に接触すると途端に拡散し、
吸収されてしまった。
その前方にいる唯(YUI)をかすめて。

「ダメだ。吸い取られてしまう。アレは言わばブラックホールのような物だ。
しかも、その前にあの娘をキズつけてしまう」

悔しげに歯ぎしりする翔(SHOW)。

進退窮まって立ち尽くすMAYA達。
ジリジリと接近してくるメディウス。



すると例の小動物が翔(SHOW)に話しかけてきた。
「そう、負には負のチカラで対抗する以外ありません。
今こそ再び私が真実のチカラをお貸ししましょう」


「真実のチカラ?」



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